二日目の昼から一週間-双極性障害ボクの病状備忘録-
先生の問いかけには応じましたが何を質問されてどのように答えたのかは全く覚えていません。(入院中ずっと質問に対して返答するという日々が続きますが、質問内容と返答内容を覚えていられるようになったのは入院してから二週間以上経ってからの話しになります)
回診が終わり昼食までは特に予定もないのでまたずっと横になって目を閉じました。
昼食をとってからどのくらいの時間が過ぎたころかやたら部屋の外がうるさくなってきました。
またもや、鳴き声、喚き声、つぶやきなどがあちこちで聞こえてきます。
前にも言ったように健常者であっても数時間この部屋に閉じ込められたら気が触れると思います。
そんな僕もついに気が触れてしまいました。
突然、恐ろしくなり、寂しくなり、どうしようもなくなって、僕は自分の額を壁に何度も叩きつけるということをしてしまいました。
鳴き声や喚き声を頭の中から排除したい一心でやりました。
しかし、それが原因ではないので排除できるわけもなく、僕はひたすら頭を壁にぶつけるだけでした。
ほどなく看護師が数名部屋に飛び込んできましたが、僕は一向に止める気配を見せなかったそうです。
このあと僕がどうなったのか察しがつく方もいるでしょう。
そのとおりです。
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久しぶりにシャワーを浴びて
それから数日が過ぎました。
さして変わらない日々が過ぎていきます。
毎日決まった時間に起こされて、毎日決まった時間に就寝し、毎日三回決まった時間に食事をして、決まった時間に回診があって、それに返答する、ずっと同じことの繰り返しです。
一ミリも良くなりませんでした。
看護師の方から何度か風呂かシャワーに入ったらどうかと促されましたが、そんな気にならないのでずっと断ってました。
しかし、流石に一週間も入らないでいると流石に自分でも体臭が気になり始めてきます。
しょうがないので、始めてシャワーを浴びることにしました。
『ガチャ』
入室して以来初めて扉の外に出ました。
1週間ぶりです。
この1週間ほとんど歩かなかったので足元がフラフラです。
洗面台の前に立つと自分によく似た他人が立ってました。
勿論、僕、本人です。
ほんの一週間ほどしか経たないのにすっかり、筋肉も萎んで、頬もこけ、目が死んで、ヒゲが伸びていました。
全くの別人の自分の姿が鏡に写っていました。
久しぶりにシャワーを浴び、ボディーシャンプーで身体を洗いましたが、髭をそることはできませんでした。
何故なら電気シェーバー以外は持ち込み禁止(自殺をする恐れがあるので)だからです。
それでも何だか生き返った気がしました。
こんな当たり前のことすら制限があるなんてとても惨めな気になりました。
▶︎続く