ようこそ精神病棟へ-双極性障害ボクの病状備忘録-
市内の病院で『緊急に入院する必要がある』と言われて、その足で病院へとむかいました。
病院へは奥さんが一緒につれそってくれることになりました。
電車、バスを乗り継いで病院に行ったのですが、正直、その際の記憶がはっきりしてません。
ただ、『何でこんなことになってしまったのか?』と何度も何度も奥さんにたずねていたことだけは覚えてます。
病院では、その後、僕の担当医になる女医Hさんにあらためて『双極性障害』だと診断をくだされました。
双極性障害がいったいどういう病気なのかが全くピンときてなかった僕でしたが、病名がつけられたことで何故か安心したことだけは覚えています。
色々なことを矢継ぎ早に説明する先生の言葉通りに数枚の書類にサインを書きました。
書類にはたしか、『もし入院中に自殺や自傷行為などをする恐れがある場合は手をしばる可能性がある』と書かれてた気がします。
手続きを済ませたところで後方の扉から男性の方が入ってきました。
その男性は看護師の方でした。
しかも、何故か屈強な看護師(男)
その後、その男性看護師の方が僕と奥さんを入院病棟へと誘導してくれました。
今、思い起こしても曲がりくねった非常にややこしいルートでした。
最初にナースセンターのようなところにつれていかれ、所持してるもの(スマホ、サイフ、ベルト、靴、パーカーについてるヒモ)を全てカゴに出すように言われました。
全部没収です。
そして、最後に看護師の方が僕の身体検査を行いました。自分を傷つける恐れがあるものを所持していないかどうかを確かめるためのようです。(ヒモ、ベルトなどはとくに自殺をするために使用する可能性がある)
所持品検査なんてまるで何だか罪人になったような気がしました。
その後、看護師さんに誘導されて隔離病棟につれていかれました。
隔離病棟に向かう途中、扉が幾つも通り抜けたのですが全て金属製で鍵付きだったのが印象深かったです。
やはり、逃げ出そうとする患者さんがいるからなのでしょうか?
ようこそいらっしゃい隔離病棟へ
広い白い壁に覆われた部屋。
部屋の中央にベットがポツンとあるだけでした。
他には何もありません。
でも、よくみたら部屋の角にトイレが設置されてます。
更に観察すると天井には監視カメラが設置されていて、マドは全てはめ殺しの状態でした。
扉は鋼鉄製。
そして内側には当然のごとくドアノブがありませんでした。
そうです。
クビをつることができないようにしてあるのです。
うちの奥さんは手続きがあるとかで看護師さんと一緒に部屋から出て行ってしまいました。
完全に隔離状態。
まさに牢屋という感じでした。(鉄格子がないだけ)
持ち物を全て取り上げられ、その上、部屋にはベット以外に何もなかったので取り敢えず寝るしかありません。
見知らぬ天井、白い壁。
ドアノブがない鋼鉄製の扉とはめ殺しの窓。
こうして約2週間に及ぶ隔離病棟での長い生活が始まりました。
入院生活は地獄そのものでした。